相談事例「資本金の額の減少をしたい」

資本金を減らしたい(減資)とのご相談を頂きました。

株式会社の資本金は、一定の手続きを経て減少させることができます。

資本金を減少させる目的

資本金を減少させる目的として主に下記の3つが挙げられます。

1.剰余金の配当(株主への利益の分配)を行うための財源を作るため

仮に会社に多額の現金があったとしても、分配可能額がなければ株主に配当することができません。そのため分配可能額を作るために減資をする場合があります。

2.累積された赤字(損失)解消するため

累積された赤字を解消するために減資をする場合があります。

3.税務上のメリットを享受するため

例えば資本金が1億円を越える場合と1億円以下の場合とでは、税制上のメリットが異なります。1億円以下の場合にのみ適用されるメリットを享受するために減資するという場合があります。

資本金の額の減少の手続き

1.株主総会の決議

資本金を減少させるためには、原則として株主総会の特別決議が必要です。

なお、定時総会において、上記の「2.累積された赤字(損失)解消するため」に減資をする場合には条件によって普通決議でも良い場合もあります。

2.債権者保護手続き

債権者を保護するための手続きとして、官報という国が発行する新聞に、資本金を減少させる旨の公告(官報公告)を行い、かつ各債権者に対して、個別に通知(個別催告)をすることが必要です。
これは、減資をすると会社に溜まった利益(剰余金)が流出してしまう可能性があり、債権者には重大な影響があるためです。

この手続きの期間は、最低でも1ヵ月以上必要になります。
また、仮に債権者より資本金を減少させる事について異議があった場合には、弁済や担保の提供などの対応を効力発生日までに行う必要があります。

3.資本金の額の減少の効力発生

株主総会において定めた日に、資本金の額の減少の効力が発生します。
減資の手続きに必要な期間としては、債権者保護手続きにかかる期間を考慮しますと2ヶ月程度みて頂く必要があります。

4.登記申請

資本金の額の減少の効力発生後2週間以内に登記をする必要があります。
なお、減資と発行済株式数とは関連性はありませんので、減資をしても発行されている株式の数は変わりません。

費用について

報酬書類作成・官報公告申込手続き・登記申請:9万3500円
登録免許税3万円
手続き内容
  • 議事録等書類の作成
  • 官報公告原稿の作成
  • 官報公告申込手続き(官報掲載費用 概算6万円~14万6000円)
  • 登記申請手続き

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