🔷 ご相談の概要

ご相談者は、事業承継を視野に入れた親族内での株式移転とガバナンス設計を検討されており、既にグループ会社を通じて複数の法人を経営されている方でした。

今回は、グループ内の資産管理会社の株式を息子様へ譲渡し、形式上の承継を行ったうえで、最終的には経営判断に対するコントロール権(議決権)を相談者自身に保持させたいというご要望がありました。

当初は、1株に拒否権限(黄金株)を持たせ、重大な会社決議についてはその株主の同意が必要な種類株式を発行する方針でしたが、打ち合わせを重ねる中で、「議決権そのものをすべて相談者側に集中させたい」という意図が明確になり、無議決権株式+議決権付き普通株式のハイブリッド型スキームへと切り替えることとなりました。

本件は、単なる株式譲渡にとどまらず、種類株式の発行・定款変更・株主総会議事録の作成・法務局への登記申請など、多面的な専門対応が求められる事案でした。

🔷 ご依頼内容

  • 株式譲渡契約書の作成(親子間・議決権付き株式譲渡)
  • 臨時株主総会議事録・招集通知の作成
  • 定款変更(無議決権株式の設計と導入)
  • 登記申請
  • 定款Wordデータのアップデート対応

🔷 対応の流れ

時期対応内容
8月中旬スキーム確認、税理士作成の株式譲渡契約書の精査
8月下旬黄金株案から議決権集中スキームへの修正提案と合意
9月上旬臨時株主総会議事録・定款変更案の作成、捺印書類の送付
10月中旬登記完了、変更後定款の反映と定款データ提供

🔷 成果と支援ポイント

  • 親族間の株式承継におけるガバナンス設計(議決権集中)を丁寧に設計・実装
  • 「黄金株による拒否権」ではなく「普通株式1株だけに議決権を付与する」形を採用し、よりシンプルで実務上も扱いやすいスキームを提案
  • 種類株式・定款変更・登記申請まで一貫して支援し、安心して進められる体制を構築

🔷 担当者コメント

本件は、家族内承継における種類株式の設計という、比較的珍しいご相談でした。

当初は黄金株の導入を想定していましたが、「完全な議決権コントロール」を希望されたため、99株を無議決権株式、1株のみを普通株式とすることで、法的に確実かつ簡潔なガバナンス設計を実現しました。

定款の変更内容の調整や登記に関する細やかなやり取りも含めて、円滑に完了できたのは、お客様と信頼関係を築きながら進められた結果だと感じています。

司法書士 松本光平

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